まるでポスターの様な体裁と本書の「はじめに」に惹かれて購入した書籍。
書籍の冒頭にはこう書かれている。
私が医学生の頃から絶えず味わってきた興奮を、誰かと共有したい。知識の点と点が線となってつながり、思わず膝を打つときのときめきを、誰かに伝えたい。
本書が目指すのは、過去から未来まで、頭から爪先まで、人体と医学を楽しく俯瞰することだ。
幼い頃に買ってもらった新しい図鑑の頁をワクワクしながらめくった時のような、心躍る体験を届けたいと思う。
ぜひとも胸躍る体験させてくれ、と思わしてくれるような導入で始まります。
はじまりの時点でワクワクするような書籍が、山本 健人 著「すばらしい人体」です。
重いと感じさせない私たちの体
体重が50キロある人は、頭で5キロ、足1本で約10キロ、腕1本で4〜5キロあるそうです。
実は私たちの体は意外なほど重い!!
でも、この重さを日頃、自覚することはほとんどないですよね。
毎日、この重さを持ち運んでいるのにです。
理由は
- 肩や背中、臀部(お尻)の大きな筋肉で支えているから
- 生まれて今日まで、必要な筋肉が必要な分だけ鍛えられているから
自分の重さに応じて、支える筋肉が自然と発達している驚きの事実!
人体って本当によくできている。
免疫とアレルギーの関係性
私たちの免疫は「口から入ったもの」には寛容、「皮膚のバリアを突破して侵入したもの」は異物と見なすようにできているそうです。
確かに、食事をする度に、食べたものを異物として排除するように働かれては生きていけない。
しかし、免疫が食べ物などに反応して攻撃してしまうことがあります。
それが、食物アレルギーです。
食物アレルギーは体質よるものと考えられていましたが、近年の研究で、周囲の環境にある食べ物が、皮膚を通して「異物」という記憶を植え付けてしまうことで起こる症状だということが分かってきたそうです。
これまた驚きの事実!
未だ謎多きアレルギー。徐々にその原因が解明されているようです。
人体って面白い!
本書には、まだまだ、人体にまつわる面白いトピックが詰め込まれています。
人体の仕組みに限らず、医療の歴史や健康の常識、現代医療についても書かれています。
まさに、今ある医学を分かりやすく解いた図鑑であり、サイエンスによって解明され発展してきた医学というものを素人でも理解させてくれます。
「自分の体にはこんな仕組みが備わっているのか、本当によくできてる」
そんな驚きと面白さを与えてくれる書籍でした。