映画・音楽

映画『余命 10年』を観たら生きることについて考えさせられた

自分の死期を数値で知った時、私ならどうするだろう。そんなことを投げかけられた気がしました。

思い立って映画を観てきた

休日、家で作業をしながら思いました。

こんなに天気がいいってのに何で家でずっと作業をしてるんだろう、と。

そして、続けざまに思いました。

あぁ、大スクリーンで映画観てぇ。しかも、心に訴えかけてくる作品を、と。

そう思ったら、居ても立っても居られず映画館に直行していました。素直な行動力です。

観てきた映画は『余命 10年』

原作は、小坂流加(るか)さんが書かれた小説です。

小坂さんはこの小説に出てくるヒロインの茉莉(まつり)と同じ難病を患いながらも、『余命 10年』を書き上げ、自らが出版社に持ち込み、書籍化を果たした方です。

ですが、文庫版が発売される少し前に逝去されています。

実際、私は “余命もの”で”恋愛もの”の作品には抵抗がありました。

そのため、当初は観ることをためらっていました。

ですが、作者の経緯や映画を手掛けた藤井監督のインタビュー、舞台挨拶の映像を観て、この作品を映画館で観ないときっと後悔すると確信。即ためらいを破棄しました。(ここまでの心の葛藤?らしきものは映画館に行くまでの道中約15分。短っ。)

そんなこんなで、無事に映画を観てきました。

劇判は RADWIMPS

画像は RADWIMPS 公式 Twitter より引用

最近は映画の楽曲担当をされることが多いバンドですよね。

有名どころは『君の名は。』でしょうか。新海誠作品=RADWIMPS の方も多いのでは、と思います。

彼らの曲は、はっちゃけたもの、ぶっ飛んだもの、過激なもの、繊細で綺麗なものなど色々あって、本当に多彩な楽曲を作るバンドだと思います。

洋二郎さん視点で何気ない心の機微や描写を歌った情感ある歌詞が印象的です。

今風に言うならエモいとでも言うのでしょうか。

個人的には情感もさることながら、ことば遊びをしているかのような歌詞に心惹かれます。

私は アルバムRADWIMPS 3、4 の頃が特に好きなのですが、どんどん変化し続ける今の彼らの曲も好きです。

これは完全に主観ですが、今の RADの曲は彩度がぐんと上がったイメージです。

色のトーンで例えるなら、ブライト。ビビットまではいかないけど鮮明ではっきりとした色合い、そんなイメージです。ちなみに以前はライトグレイッシュなイメージです。

おっと、RAD愛を語りすぎました。路線を映画に戻します。

訴えかけてくる映像とそれに没入させてくれる音楽

以下、内容はネタバレになるので書きませんが、感想を述べます。

劇中、泣きました。それも咽び泣きました。映画館ということもあり、声を出せなかったのがしんどかったです。フィクションのはずなのに、フィクションと思えない映画でした。

ヒロインの茉莉が抱える葛藤、苦しみ、諦めたいけど諦めきれない思いなどが映像を通してどんっと伝わってきます。

また、茉莉を支える家族も各々が葛藤を抱えていて、その思いをぶつけたり受け止めたりするシーンには胸を締め付けられました。

この映画は恋愛をメインに描かれているものなのですが、茉莉を取り巻く環境や家族、友人との交流シーンもかなりしっかりと描かれており、そっちの方が私的に印象深かったです。

半ば諦めかけたように「不治の病だから命尽きるのはもうどうしようもない、この世を離れる覚悟はできている」と思っていた茉莉。

でも、時を重ねるうちに「もっと生きたい、生きていたい」と思うようになっていく過程を観るのは、たまらなく切なかったです。

哀しさのなかに、儚さ、美しさも入り混じるとても綺麗なストーリーでした。

音楽も映像に負けず劣らず儚く美しかったと思います。

実際、音楽に関してはうろ覚えです。というのも、映像と融合するように仕掛けられており、意識しないと音楽が流れていることを忘れてしまうようなさりげない演出になっていたんですよね。

でも、音楽があるおかげで映像がすっと自分に入ってくる不思議な感覚がありました。

物語の背景として音楽がある、まさに伴奏を体現した音楽だなと思いました。

でも唯一、エンディングの時だけは音楽が主役でしたね。あれにはぐっときたな。

今を生きれる自分はどうするか

映画は 125分と長めのものでしたが、あっという間に終わってしまった気がします。

エンドロールが終わり、館内の照明が灯って映画の終わりを告げても、余韻が強すぎてしばらく席に座ったままでした。座った状態で一旦、映画の内容や感じたことを整理していました。

今、自分の余命は具体的な数値で定められてはいないけれど、もしそうなった時に私ならどうするのだろう。茉莉や小坂さんが生きたかった今を生きれる自分はどうしたい?

そんな問いを作品から投げかけられた気がしました。

きっと、その答えは人それぞれで正解はないのでしょうが、「今できることを、したいことを、精一杯するしかないんだろな、全力で私は生きる」というのが現時点での私の回答です。

誰の名言か忘れましたが、

あなたが生きている今日は亡くなった人が生きられなかった今日。今日を全力で生きて下さい。

この言葉を思い出しました。全く、その通りだと思います。この作品を観て心から思います。

書籍を胸に抱えて帰った

映画が終わってすぐに書店へ行き、書籍を買いました。

この物語は書籍できちんと読みたいと思ったからです。

ちなみに、財布、スマホ、鍵、ハンカチだけを持って映画館へ直行したため、リアルに書籍を胸に抱えて帰宅しました。でも、それぐらい大事にして持って帰りたいと思う作品だったので結果オーライです。

書籍を読み終えたら、もう一度この映画を観たいなと思っています。

きっと、2回目も大泣きするんだと思います。

もし、皆さんがこの映画を観たのならどんな風に感じ、どんなことを思うのでしょうか。とっても気になります。何なら、一緒に語りたい気持ちです。

映画っていいね

映画っていいねとか平凡すぎるまとめ方だ。笑

でも、いいのだから仕方がない。

これ以上の言いようもボキャブラリーも私は持ち合わせておりませんので、ご承知おきくださると幸いです。

さてさて、4月、5月も気になる映画は多々あるのでまた観に行きたいと思っています。

特に気になっている映画作品は『バブル』です。監督、脚本、キャラデザ、音楽共に豪華すぎて震えています。どうなったらこうなるのだレベルで豪華です。今から上映が楽しみです。

皆さんもコロナには気を付けつつ、映画館での上映鑑賞を楽しんでみてはどうでしょうか。

それでは、また!